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2023.07.25

はやまんオンライン講座

【コインの歴史ロマンを気軽に学べる!はやまんオンライン講座④】

本日は「雲上の女神」として世界中から絶大な人気を誇る1枚についてお話ししていきます。


『1908年 オーストリア 雲上の女神 皇位60周年記念100コロナ金貨』

世界で最も美しいと言われている雲上の女神!
人気のフランツ・ヨーゼフ1世がモデルのコインの中でも最高の市場性を持つ金貨です。

時代背景

1867年3月15日、ハンガリー議会がオーストリアとの合体を定めた「アウスグライヒ(和協)法案」を可決。これによりフランツ・ヨーゼフ1世がオーストリア皇帝とハンガリー王を兼ね、両国は外交、軍事、財政は共通にするものの、憲法と議会、政府は独自のものを置く同君連合体制になりました。

ハンガリー議会の「和協法」可決から3か月後の6月8日にはフランツ・ヨーゼフ帝がハンガリー王に戴冠し、「オーストリア・ハンガリー二重帝国」が名実ともに成立。この体制によって、ドイツから疎外されたオーストリアは中央ヨーロッパの大国の地位を維持することに成功、帝都ウィーンには世紀末美術の花が咲くなど繁栄を得ました。一方ハンガリーも首都ブダペストの近代化などに成功し、空前の繁栄を謳歌することとなります。

1908年にオスマン帝国で青年トルコ革命が起こって混乱すると、オーストリアはそれに乗じて、単なる統治権ではなく、領土そのものにしようとボスニア・ヘルツェゴヴィナ併合を強行します。この地域にはセルビア人が多数居住していたので、セルビア王国の反発が強くなり、1914年、サライェヴォ事件が勃発、この事件をきっかけとしてオーストリア=ハンガリー帝国はセルビア王国に最後通牒を突きつけ、その後の第一次世界大戦の勃発へとつながっていくことになります。

フランツ・ヨーゼフ1世とは

フランツ・ヨーゼフ1世は、オーストリア皇帝。ハンガリー国王などを兼ねた。 全名はフランツ・ヨーゼフ・カール・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲン。ハンガリー国王としてはフェレンツ・ヨージェフ1世、オーストリア帝国内のベーメン国王としてはフランティシェク・ヨゼフ1世。

68年に及ぶ長い在位と、国民からの絶大な敬愛から、オーストリア帝国(オーストリア=ハンガリー帝国)の「国父」とも称された。晩年は「不死鳥」とも呼ばれ、オーストリアの象徴的存在でもあった。皇后は美貌で知られるエリザベート。後継者となった最後の皇帝カール1世は統治期間が2年に満たなかったため、しばしばオーストリア帝国の実質的な「最後の」皇帝と呼ばれています。

エリーザベトとは

エリーザベト(1837年 – 1898年)は、オーストリア皇后として知られる19世紀の歴史的人物です。

エリーザベトはバイエルン王国の王女として生まれ、後にオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と結婚しました。彼女は美しさと知性を兼ね備えた女性であり、その優雅な外見と風変わりな個性から、当時の人々から幅広い注目を浴びました。

エリーザベトは文化と芸術に強い関心を持ち、詩や音楽に熱中しました。また、彼女はスポーツやヨーロッパの旅行など、伝統的な皇室の枠にとらわれない自由な生き方を好みました。そのため、彼女は時折「シシィ」という愛称で呼ばれることもあります。

一方で、エリーザベトの生活は個人的な苦悩や悲劇も伴いました。彼女は厳格な宮廷の制約に苦しみ、体重や外見への過度なこだわりから摂食障害に苦しむようになりました。また、彼女は夫婦関係にも悩みを抱え、親しい人々の死によって心に深い傷を負いました。

エリーザベトの影響力は、彼女の美貌と独立した精神によって広がりました。彼女はファッションや美のアイコンとしても知られ、特に長い髪やスリムなシルエットは彼女のトレードマークとなりました。

エリーザベトは1898年に暗殺されましたが、彼女は今日でも多くの人々に魅力と影響を与え称えられ続けています。

コロナとは

コロナという通貨単位は、「王冠」を意味する、英語のクラウン (crown)、ラテン語のクローネ (corona) に由来しています。

1892年の通貨改革から始まり、1918年にオーストリアが共和制に移行するまでの間に作られました。
本品は1908年~1914年に短命に終わった100コロナ・オーストリア金貨のリストライクコインです。

1916年にフランツ・ヨーゼフが亡くなった後、人気のある南アフリカのクルーガーランドに対抗するためオーストリア造幣局は1975年から100コロナコインを再発行することにしました。

リストライクとは、造幣局がこれらのコインを鋳造し続けるために、古い日付の金型を使用していたことを意味します。

100コロナ・オーストリア金貨は、何十年もの間、同じように1915年の日付を変更せずに鋳造されました。

デザイン

表面:フランツ・ヨーゼフの肖像
裏面:通称「雲上の女神」と呼ばれるフランツ・ヨーゼフ1世の皇后エリーザベトが雲の上から皇帝に祝意を与えているモチーフ

希少性

1908年のみ単年度発行。
PCGS社鑑定枚数167枚。
鑑定枚数も少なくかつ状態の良いコインは多くはありません。

状態

この金貨は表面の余白部分に、必ずと言っていいほど細かい傷が存在します。
鋳造自体の欠陥もしくは、鋳造時の誤った扱いがあったのではないかと推測しております。

そのため、1908年発行でありますがPCGS社での最高鑑定はミントステイト型でMS63止まりとなっております。

市場性

アンティークコインコレクターであれば一枚は所有したい世界でも日本でも大人気の大型金貨です。

世界で最も美しいと言われている雲上の女神!
そこに描かれているフランツ・ヨーゼフ1世がモデルのコインは絶大な人気を博し、多くの本格的なコレクターがこのコインをポートフォリオに収めています。つまりは多くの市場参加者が狙っているコインと言う事でしょう。

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