2024.04.15
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価格が高騰!「1893年 ヴィクトリア オールドヘッド 金銀 プルーフセット ①」
みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
アンティークコインの中でも特に価格が高騰しており、人気があるのがイギリスのコインです。イギリスは王室の伝統が明確で、コインには時の国王の肖像が刻まれており、王室の家系図を作るようにコインを収集できるのが特徴です。つまり系統立てて集められ、コイン収集がしやすいのですね。
イギリスのコインの中でも注目なのが、セットのコインです。その時に発行された金貨や銀貨が一揃いにまとまっており、一度にコインを揃えることができます。セットでまとまっているコインは少ないのにも関わらず、多くのコレクターから需要があるため、価格が高騰しやすい特徴があります。
この記事では、1893年に発行された「ヴィクトリア女王のオールドヘッドタイプのプルーフセット」について紹介していきます。ヴィクトリア女王の人物像や功績も紹介するので、イギリスのコインの知識を深めていただければと思います。
1893年 ヴィクトリア オールドヘッド 金銀 プルーフセットの基本情報
オールドヘッドのヴィクトリア女王の金銀プルーフセットについて、基本情報を整理しておきましょう。
・国:イギリス
・発行年:1893~1900年(ご紹介するセットは1893年発行)
・発行枚数:773枚
・素材:金・銀
・表面:ヴィクトリア女王の肖像(オールドヘッド)
各コインの重量と直径
ヴィクトリア女王の肖像について
ヴィクトリア女王の肖像がデザインされたコインは多々あり、今回ご紹介するのはオールドヘッドと呼ばれるタイプです。年を召してからの胸から上の肖像であるため、オールドヘッドと呼びます。他に、オールドバストという呼び方や、ヴェールを被っていることからヴェールヘッドという呼び方をすることもあります。(画像:右)
他にはヤングヘッド(画像:左)やジュビリータイプ(画像:中央)と呼ばれるヴィクトリア女王のコインもあります。ヤングヘッドは若い頃の肖像で、ジュビリータイプは冠を被った肖像です。
実は1887年からジュビリータイプのコインが発行されているのですが、イギリス国内で評判が良くなかったため、わずか6年後の1893年からオールドヘッドのコインが発行されるようになりました。
派手な印象のある1887年のジュビリータイプと比較すると、1893年のオールドヘッドは大人しいデザインです。しかし年齢に見合った品と重厚感があり、大英帝国の母を思わせるようなコインです。
発行枚数の少なさ
ヴィクトリア女王のオールドヘッドのプルーフセットは、わずか773枚しか発行されていません。オークションでもセットで出品されることはほとんどなく、手数料などを含めた落札価格は1000万円を上回ります。
1枚ずつバラバラに取引されることはあるのですが、1枚ずつ入手してセットのコレクションを作るのは非常に大変です。そのため、セットでの出品があると入札競争が激化して価格が高騰しやすいのです。
セットで出回ることも大変珍しいのですが、コインをセットで収納する当時のオリジナルケース付きの場合、さらに希少性が高まります。1枚ずつ集めた場合、基本的にはケースは手に入らないので、ケース付きのセットは世界中のコレクターにとって喉から手が出るほど欲しいものです。
また、コインとケースの状態が良いほど希少価値も価格も高まります。そもそも発行枚数が少ないので、ケース付きや高いグレードなど希少性が高いコインに出会ったら、お金に糸目はつけずに購入を考えたいところです。
次回はヴィクトリア女王についてお伝えします。
みなさんにアンティークコインで幸あれ!