2024.04.17
イギリス
コイン解説&写真
近代
価格が高騰!「1893年 ヴィクトリア オールドヘッド 金銀 プルーフセット ②」
みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
イギリスのコインの中でも人気が特に価格が高騰しており注目されているのがセットのコインです。昨日に引き続き「1893年 ヴィクトリア オールドヘッド 金銀 プルーフセット 」についてお伝えします。コインの基本情報はこちら。
ヴィクトリア女王・ヴィクトリア朝について
ヴィクトリア女王は、イギリスが最も繁栄した時代の女王と言われています。彼女の治世は「ヴィクトリア朝」と呼ばれ、産業革命による経済発展が成熟した大英帝国の絶頂期でした。
ヴィクトリア朝は初期・中期・後期に分けられます。初期は産業革命の拡張期、中期は絶頂期、後期は他国の産業が追い付いてきてイギリスの覇権が揺らぎ始めた時期と言えます。
初めてのインド女帝
ヴィクトリア女王は1819年に生まれ、1837年に18歳でイギリスの女王に就任しました。81歳まで女王を務め、その間にイギリスは海外に進出して植民地を獲得しました。
イギリスの植民地だった国として知られているのがインドです。1858年にイギリスはインドにインド帝国を成立させ、ヴィクトリア女王は1876年にインド女帝になりました。
その背景には、国王よりも皇帝の方が格上とされており、ヴィクトリア女王が不満を抱いていたことがあります。イギリスの国王よりも、ロシアやプロイセンの皇帝の方が格上という扱いだったからです。
そこで女王という肩書に加えて女帝も名乗れるよう、法案を議会に通しました。そうしてインド女帝という肩書を手に入れたのです。
子宝に恵まれ夫も政治で活躍
ヴィクトリア女王が結婚したアルバートは外国人で、当初は宮廷に居場所がなく、孤立していました。ヴィクトリア女王は美形に弱くアルバートに惚れ込み、結婚に至ります。子宝に恵まれ、2人は4男5女を授かりました。
ヴィクトリア女王は妊娠や出産で忙しくしていたのですが、アルバートが女王の補佐役として政治手腕を発揮しました。大英帝国の発展の陰には、アルバートの功績があると言えるでしょう。ヴィクトリア女王と仲の良い政治家と対立した政治家であっても、優れた能力を持つ者は引き上げるなど政治に尽力しました。
ちなみにヴィクトリア女王自身はあまり政治能力が高くなく、自分の好き嫌いで政治家を抜擢するようなところがありました。ヴィクトリア女王はイギリスの最盛期のシンボルではありますが、彼女が繁栄期を築いたとは言われません。
まとめ
1893年にイギリスで発行されたヴィクトリア女王のオールドヘッドのコインセットについて解説してきました。セットで流通することはほとんどなく、またケースが付いているものとなれば希少価値は非常に高くなります。欲しがるコレクターが大勢いるため、高い値段にはなりますが、チャンスがあったらお金に糸目はつけずに手に入れたい逸品です。
ヴィクトリア女王はイギリスが最も繁栄したヴィクトリア朝を象徴する女王です。彼女の肖像の中でもオールドヘッドは上品で美しく、イギリスの淑女らしいですし、また国を守る母のような印象もあります。ヴィクトリア朝を象徴するコインセットなので、一目でも見られる機会があれば目に焼き付けておきましょう。
みなさんにアンティークコインで幸あれ!