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2023.12.8

エジプト

成功への第一歩!アンティークコイン投資・国の知識を深めよう「古代エジプト編①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

今回は古代エジプトのコインと歴史に触れていきたいと思います。

古代エジプトは、紀元前3000年頃から紀元前30年頃までの約3000年にわたって続いた文明です。今は2020年ですが、紀元後約2000年しか経っていないことを考えると、古代エジプトの文明がとても長く続いたことが分かると思います。

古代エジプトで使われていたコインも現存しており、コレクターやディーラーの間で流通しています。この頃のコインになると、貨幣経済が誕生して間もない時代のコインになります。世界で初めて金属貨幣を作ったリディア王国も、エジプトの歴史に関係があるんですよ。

この記事では、古代エジプトの歴史を軸に、当時のコインで重要なものを見ていきます。古代エジプトの歴史は大きく分けると「古王国」「中王国」「新王国」「末期王朝」に分けることができます。この4つの区分を中心に、古代エジプトの歴史とコインを見ていきましょう。

初期王朝

古王国につながる初期王朝から見ていきましょう。初期王朝は紀元前3000年頃~紀元前2650年頃の、第1王朝~第2王朝の期間を指しています。ナルメル王が古代エジプトを統一したのが、王朝の始まりです。

統一されたエジプトは新都メンフィスを中心に、各地に王が任命した州知事を置いて王が支配を行いました。(画像:階段ピラミッド)

有名な「階段ピラミッド」が作られたのは、第2王朝の頃です。階段ピラミッドは、ジェセル王というファラオによって建設されたエジプトで最初のピラミッドです。当初は高さ10メートル、一辺63メートルで建設される予定でしたが、宰相イムヘテプらによって拡張が繰り返され、高さ62メートル、一辺100メートル以上の大きさになりました。

イムヘテプは政治の能力だけでなく、天文学や医学にも精通していました。プトレマイオス朝時代には医学の神と称えられ、ファラオ以外では唯一、神とされました。

古王国時代

古王国時代は、紀元前2650年頃~紀元前2160年頃で、第3王朝~第6王朝までの期間です。ファラオを王とする中央集権国家が完成した時代で、ギザの三大ピラミッドが作られました。それぞれ第4王朝のクフ王、カフラー王、メンカウラー王の王墓とされるピラミッドです。(画像:ギザのピラミッド)

巨大なピラミッドを建設できた背景には、王に権力が集中し、繁栄を迎えていたことが推察されます。古王国時代、古代エジプトは最初の最盛期を迎えていたのです。

なお、クフ王のピラミッドははっきりしているのですが、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドはどちらがどちらのものなのか分かっていません。そのため、「カフラー王のピラミッド」「メンカウラー王のピラミッド」と呼ぶよりも、「第二ピラミッド」「第三ピラミッド」と呼ぶ方が正確です。

第1中間期

第1中間期は、古王国と中王国の間の紀元前2160年頃~紀元前2040年頃で、第7王朝~第11王朝までの期間です。古王国時代にファラオの権力が大きくなって繁栄したのですが、徐々に権力が衰え、各地のノモス(古代エジプトの小国家)が独立しました。統一が失われて各地が対立し、不安定な時代に突入しました。

中王国時代

中王国時代は、紀元前2040年頃~紀元前2200年頃まで、第11王朝~第12王朝まで続きました。ヘラクリオポリスとテーベに王朝が成立するものの、南のテーベのメンチュヘテプ王によって統一され、再び統一国家となって中王国時代が始まります。

ピラミッドの造営も再び始まりましたが、大きなものは作られず、また構造も他のピラミッドに比べると粗悪だったそうです。構造が弱かったため壊れてしまい、現在はピラミッドというより山のような形で認識することができます。

メンチュヘテプ王はエジプトの外にも遠征して領土を広げ、採石場を手に入れて建築資材として使えるようになり、さまざまな建造物を残しました。最も有名なのが、テーベ(現・ルクソール)の西にある神殿王墓です。
(画像:ルクソール神殿 第1塔門とオベリスク)

第12王朝では、王朝がテーベからリシュトに遷都しました。中期エジプト語が確立されたため、文学作品が盛んに作られ、今日まで残っています。「ネフェルティの予言」など、エジプトの古典文学を代表する作品が中王国時代に生まれました。

次回は中王国時代と新王国時代の間の第2中間期以降の古代エジプトについてお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!