2023.12.25
コイン解説&写真
ブラジル
スポットライトが当たり始めてる注目のコイン!「ブラジル ジョアン5世の20000レイス金貨 ①」
みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
「アンティークコイン」と言うとイギリスなどヨーロッパのコインが根強い人気を誇っていますが、これらのコインはそろそろ価格が高止まりしつつあります。そこで、他の地域のコインにもスポットライトが当たり始めています。
中でも注目度が高いのが、ブラジルがポルトガルの植民地でポルトガル王のジョアン5世が統治していた頃の20000レアル金貨です。重量が50グラム以上と非常に重いコインで、ヨーロッパのコインよりも存在感が大きいと言うこともできるほどの逸品です。
この記事では、1724年~1727年に発行された20000レイス金貨の特徴や人気の秘訣、当時のポルトガルの統治などの歴史的な背景を2回に分けて解説していきます。コインのコレクションを考えるとともに、コインにまつわる知識も身につけていきましょう。
ブラジル ジョアン5世の20000レイス金貨の基本情報
ブラジルのジョアン5世の20000レイス金貨の基本情報について、基本情報を整理しておきましょう。
・国:ブラジル
・発行年:1724年~1727年
・発行枚数:1726年は500枚
・素材:金
・直径:約38mm
・重量:約54g
・表面:紋章
・裏面:ミナスジェライス州を表す「M」のミントマーク
・参考取引価格:50万円~200万円
なお通貨の単位が「レイス」となっていますが、現在ブラジルで使われている「ブラジルレアル」と基本的には同じです。レアル・レイスはスペイン語圏・ポルトガル語圏で14世紀以降使われてきた通貨で、日本語では「レアル」と記述しますが、ポルトガル語では「レイス」と書きます。
ブラジルの超大型金貨
20000レイス金貨の最大の特徴は、その大きさです。直径は約38ミリで他のヨーロッパの金貨と同じくらいのサイズですが、54グラムと非常に重いです。人気のあるイギリスの金貨でも40グラム前後なので、20000レアル金貨は10グラム程度も重く、持って比べてみるとずっしりと感じられます。
ブラジルの造幣局
ブラジルは1500年頃から1822年までポルトガルの植民地であり、多くの金貨が生産されました。ポルトガルの植民地だったため、上述のとおり「レイス」というポルトガル語圏で使われていた通貨単位がブラジルでも使われていました。
植民地時代の造幣局は3つで、ミントマークで確認することができます。
・B:バイーア
・R:リオデジャネイロ
・M:ミナスジェライス
1724年~1727年に発行されたジョアン5世の20000レイス金貨は、ミナスジェライスで作られたため、裏面に「M」のミントマークが4つ刻まれています。
(左:4000レイス 中央:6400レイス 右:20000レイス)
他にも発行年や額面が異なるコインでも、20000レイス金貨に非常によく似たデザインのものがあるのですが、裏面のミントマークで造幣局を見分けることができます。「B」はバイーア、「R」はリオデジャネイロで鋳造されたコインである、ということが分かります。
次回は歴史的な背景についてお伝えします。
みなさんにアンティークコインで幸あれ!