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2024.04.1

コイン解説&写真

フランス

ご存じですか?大変珍しい代用貨幣「フランス ナポレオン3世のジュトン銀貨 ①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

アンティークコインのコレクターや投資家が収集対象とするのは、実際に使われていたお金だけではなく、より大型のメダルなど多岐にわたります。コレクション対象となるコインの中に「代用貨幣」というものがあるのをご存じでしょうか?

この記事では、八角形の形をした「フランスのナポレオン3世のジュトン銀貨」について紹介します。このジュトン銀貨は大変珍しく、PCGSで鑑定されたものはたったの2枚となっています。

「ジュトン」とは?

「代用貨幣」のことを、英語では「トークン(token)」、フランス語では「ジュトン(Jeton)」と言います。ときどき、トークンやジュトンという用語をポンドやフランといった通貨の単位だと勘違いしている方がいらっしゃるのですが、これらは「代用貨幣」を表す用語であり、通貨単位ではありません。

代用貨幣とは、名前のとおり正式なコインの代わりに使用されるコインのことです。ただし、国家が発行するコインと同等ではなく、使用範囲が限定されるなどの制限があったものがほとんどです。

例外はありますが、代用貨幣は民間企業などが発行したものであり、国家や地方の政府などが発行する貨幣とは異なります。そのため、一般的な「お金」としてどこでも使えるわけではありませんでした。

なぜ代用貨幣が求められたのかというと、政府が発行するコインの著しい不足など、経済が混乱した際に需要が高まるためです。人々がお金を貯め込み、支出しない状態になると、市場ではコインが流通しません。商業の継続のため、緊急的に代用貨幣が作られ、一部で使用されるようになることは、世界的にも珍しいことではありません。

一般的には、代用貨幣は銅やアルミニウムなど金・銀に比べて貴重ではない金属が使用されることが多いです。しかし、今回ご紹介するナポレオン3世のジュトン銀貨については銀が使われています。貴金属が使われている代用貨幣という点も珍しく、このコインを希少なものにしています。

ちなみにアルミニウム製の代用貨幣は、アルミニウムが安く生産できるようになった1890年代以降のものが多いです。

その他の代用貨幣

現在「代用貨幣」というと、カジノのスロットマシンで使われるようなコインも含めることがあります。カジノの中では価値を持つコインですが、カジノの外で通用することはないため、同じように代用貨幣(トークン)と呼ばれています。

ちなみに最近ではコインを使わないコインレスのスロットマシンの導入が進んでおり、トークンは段階的に廃止されているそうです。

カジノのトークンがアンティークコインのコレクターにとって収集対象となるケースはあまり聞きません。代用貨幣と言っても、いろいろなコインを指していることだけ覚えておいていただければと思います。

次回はこのジュトン銀貨のナポレオン3世についてお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!