COLUMN
コラム

2023.08.7

コイン解説&写真

フランス

深めよう!アンティークコイン投資 国比較【フランス編】

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

前回に引き続きはアンティークコイン投資で必要な知識をお伝えしていきます。本日はフランスです。

イギリスのコインが高騰しているため、次に値上がりするコインを探す動きが見られています。その中でも注目を集めているのが、フランスのナポレオンが描かれたコインです。

まずは、ナポレオンの登場から活躍までの歴史を簡単におさらいしていきましょう。

フランスではルイ16世までブルボン王朝による絶対王政が敷かれていましたが、1789年にフランス革命が起こり、市民が力を獲得していきます。しかし、革命後は政治が安定せず、また革命の波及を恐れた周辺諸国が攻め込んだため、かえって混乱した状態になってしまいました。そこに台頭したのがナポレオン・ボナパルトで、1799年にはナポレオンによる軍事独裁政府が成立しました。

ナポレオンは皇帝としてフランスに君臨するほどの権力者になりますが、自身が貧しい貴族の出身だったため、市民の苦しい生活を無視する人物ではありませんでした。身分が違う者でも法の前では平等であり、信仰の自由や労働の自由などを盛り込んだ「ナポレオン法典」を作り、近代国家の基本として今でも参照されることもあります。

このような背景があり、ナポレオンは非常に人気がある歴史上の偉人です。当然、ナポレオンが描かれたアンティークコインも人気があり、今後も価値が高まっていくと考えられます。19世紀に使われていた、彼の肖像が描かれた2フラン銀貨や5フラン銀貨は人気があり、美品は価格が上昇しています。

【1815年A フランス ナポレオン1世 百日天下 2フラン 銀貨】

【1811年B フランス ナポレオン1世 5フラン銀貨 KM694.2】

また、ルイ14世やルイ16世など、フランスの歴史のみならず世界史にも影響した重要な王族の肖像画描かれたコインも、非常に人気があります。

【フランス 1704年 ルイ14世 ルイドール金貨】

フランスはイギリスと違って王族が途絶えており、収集しにくいといった声もあるのですが、フランスにはフランスの魅力があります。歴史の中心にいたフランスだからこそ、小さなコインにも壮大な歴史のロマンが詰まっているのです。

いかがでしたでしょうか?次回はドイツについてお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!