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2023.08.23

資産としてのコイン

コイン解説&写真

【知識を身につけよう!】コインの材質について-②

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
前回に続きコインの材質についてお伝えしていきます。

試鋳貨(エッセイ、エセー)についてご存じでしょうか?
試鋳貨とは、正式にコインを鋳造する前に作成したサンプルのコインのことです。いろいろなデザインの試鋳貨を作って国王や関係者に意見を聞き、それを受けてデザインが決められ、実際に流通するコインが作られるのです。試鋳貨はフランス語でEssei(エッセイ)と呼ばれているため、国内でも「エッセイ」「エセーコイン」と言うことが多いです。

試鋳貨は枚数が非常に少なく、世界に10枚ほどしか存在しないものもあります。グレードが高い試鋳貨になると、世界に1枚しか存在しないこともあります。

コインの価値の高さは、上述したように金、銀、銅、その他の材質の順に高いのですが、エセーコインだとさらに価値が高くなります。つまり、金貨の中でもエセー金貨に、銀貨の中ではエセー銀貨に、最も高い値段がつきやすいのです。

試鋳貨はコインの状態に加え、枚数を基準とした希少価値のランクもつけられます。フランスだとR5~R1、イギリスだとR7~Rのようにランクがつけられ、数字が大きい方がレアリティが高いです。最高ランクのコインは世界に1~2枚しか存在せず、貴族どうしの贈り物になっているといった理由で、ほとんど外部には流出しません。

R3ほどのエセー金貨でも、数千万円から数億円もの値段がつくのが普通です。たった10グラムか20グラムの金貨にこれだけの価格がつくなんて、信じがたいですよね。

試鋳貨は枚数が少ないのであまり流通しておらず、目にする機会は多くありません。もし巡り合うことができて予算が大丈夫なのであれば、投資を兼ねて購入を即決するのが良いと言えます。

ちなみに試鋳貨はフランス語ではEssei(エッセイ)ですが、イタリア語ではProva(プローヴァ)、ドイツ語ではProben(プローベン)です。これらの文字が刻印されているコインは試鋳貨となります。

アンティークコインの材質と価値の関係

これまで、金や銀といった材質ごとにコインにどのような価値があるのかを解説してきました。興味深いのが、貴金属としての価値がそのままコインの価値になっているとは限らないことです。つまり、金貨よりも高い値段をつける銀貨も存在する、といったことが起こり得るのです。

さらに、試鋳貨(エセーコイン)の存在もコイン投資の奥深さにつながっています。極端に発行枚数が少ないコインには、億円単位の値段がついているのです。

これらのことから分かるのは、アンティークコインの価値には発行枚数の少なさという希少価値が重要であることが分かります。もちろん、貴金属としての価値も重要ですが、それを逆転させ得るのが希少価値の評価なのです。

すなわち、アンティークコイン投資を始める方は、材質だけでなく発行枚数や現存する枚数も調べた上で、投資するコインを決めるのが良いと考えられます。綺麗な金貨で値上がりしそうに感じられても、同じようなコインが大量に存在すれば値上がりしにくいからです。アンティークコインコイン投資で成功したいなら、できるだけ数が少ないコインを狙って行くのがベターでしょう。

まとめ

アンティークコインの材質と試鋳貨(エセーコイン)について解説してきました。貴金属としての価値だけでなく、希少価値もコインの価値に大きく影響することをご理解いただけたかと思います。投資を目的とするなら、材質だけでなく発行枚数や現存する枚数も意識してコインを選んだ方が良いでしょう。

ですが、アンティークコインには集める喜びや保有していること自体のステータスといったメリットもあります。投資目的ではないと割り切って、好みのコインを集めていく楽しみもあるので、さまざまな角度からアンティークコインを味わっていただければと思います。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!