COLUMN
コラム

2023.08.4

コイン解説&写真

インド

深めよう!アンティークコイン投資 国比較【インド編】

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

前回に引き続き、アンティークコイン投資で必要な知識をお伝えしていきます。本日は英国の植民地であった19世紀のインド。コインもコレクターに人気があるコインをあわせてご紹介していきます。

インド

インド(India)は、南アジアに位置し、インド亜大陸を占める連邦共和制国家です。インドの歴史は古く、紀元前2500年頃のインダス文明に遡り、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教などの発祥地でもあります。1858年から始まる大英帝国の植民地支配から、長い独立運動の末、1947年に独立を果たした国になります。

17世紀の大航海時代、イギリスとフランスがインドに進出し、経営をめぐって争いになりました。フランス軍を征したイギリスは、いくつかの戦いを経てインドを植民地化し、貿易の要所とします。綿花や茶などの原料が取れるだけでなく、木綿製品を売る市場としても有用だったため、インドはイギリスの繁栄にも重要な役割を果たしました。

コインについて、ヤングヴィクトリアの肖像と東インド会社の銘文がデザインの1ルピー銀貨がこちらになります。

【英領インド ヴィクトリア 1ルピー銀貨 1840年(B&C) KM458.3】

ヴィクトリアの首元には、英国のウナ・ライオンと同じデザイナーのウィリアム・ワイオン(W.W)が刻印されています。

そして、英国領となったインドのアンティークコインで最も有名なのが、1841年にのみ発行された「モハール金貨」です。表面にはヴィクトリア女王の肖像が描かれ、裏面にはライオンとヤシの木が描かれています。ライオンもヤシの木もイギリスを象徴するモチーフなので、インドのコインではありますがイギリスらしい一枚となっています。ヴィクトリアの治世下では1モハールが15ルピーの価値を有しました。

単年度のみの発行ですが微妙にデザインが異なり7種類以上のデザインに細かく分類されています。最も有名でよく見るデザインはKM#461.2のモハール金貨となってます。

【英領インド 東インド会社 モハール金貨 ヴィクトリア・ライオン 1841年】

(c) S&W-3.8 TYPE A/1

発行枚数は44万枚以上と多いのですが、現在では状態の良いものがほとんど残っていません。そのため、美しい状態で残っているモハール金貨は希少価値が高く、価格も高騰する傾向にあります。イギリスの金貨がどんどん高騰しているため、次なる資産としてモハール金貨に目を付けている投資家もいます。

いかがでしたでしょうか?歴史背景を感じるコインでもあるのがおわかりいただけたと思います。

次回はフランスについてお伝えしていきます。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!