2024.01.10
イギリス
コイン解説&写真
注目すべきメダルはコレ!!『イギリス ウィリアム4世 戴冠記念メダル①』
みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
アンティークコインといえばイギリスのコインのイメージがありますが、高騰しきっており手が出せない方も多いのではないでしょうか。そこでこれから注目したいのがイギリスのメダルです。
今回は『イギリスのウィリアム4世の戴冠を記念したメダル』をご紹介します。「ウナとライオン」などの名コインを手掛けたデザイナーであるウィリアム・ワイオンが手掛けたメダルであり、非常に人気が高い逸品です。
今回は、ウィリアム4世の戴冠記念メダルについて解説していきます。
イギリス ウィリアム4世 戴冠記念メダルの基本情報
ウィリアム4世の戴冠記念メダルについて、基本情報を整理しておきましょう。
・国:イギリス
・発行年:1831年
・発行枚数:1203枚(流通965枚)
・素材:金
・直径:約33mm
・重量:約28g
・表面:ウィリアム4世の肖像
・裏面:妻アデレード王妃の肖像
・参考取引価格:100万円~数百万円
このメダルは1831年9月8日にウェストミンスター寺院で行われたウィリアム4世の戴冠式を記念して、単年でロイヤルミント(イギリスの王立造幣局)で発行されたものです。発行枚数は1203枚ですが、そのうち238枚が溶解されたため、流通されたのはたったの965枚とされており、現在の市場でも非常に数が少ないメダルです。
ウェストミンスター寺院はみなさんの記憶に新しい、2011年4月29日に英ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンさんの婚礼が執り行われた寺院になります。(画像:ウェストミンスター寺院)
戴冠記念メダルの人気の理由
ウィリアム4世の戴冠記念メダルは非常に人気があり、グレードの高いものだと数百万円で取引されることがあります。人気の理由は、枚数が少なく希少価値が高いことに加え、デザインの美しさが挙げられます。
(画像:ウィリアム・ワイオン)
このメダルのデザインを手掛けたのはウィリアム・ワイオンという彫刻師です。彼は「ウナとライオン」など数多くのイギリスの名コインを手掛けた人物です。ワイオンのコインはいずれも細かいところまで装飾的なデザインが施されている特徴があり、ウィリアム4世の戴冠記念メダルにも髪の毛やアクセサリーのデザインには目を見張るものがあります。特に裏面のアデレード王妃の髪や冠、アクセサリーは細かいところまで表現され、非常に美しいです。
ウィリアム4世の肖像が描かれた表面をよく見ると、下部に「W.WYON」とウィリアム・ワイオンの名前が刻まれています。アンティークコインのコレクターにはワイオンのファンも多く、この戴冠記念メダルも収集の対象としてとても人気があります。
次回は表面のウィリアム4世についてお伝えします。
みなさんにアンティークコインで幸あれ!