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2024.01.17

コイン解説&写真

フランス

有名なフランスの金貨「フランス ナポレオン3世(有冠)50フラン金貨②」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

前回に引き続き有名なフランスの金貨「フランス ナポレオン3世(有冠)50フラン金貨」のコインについてお伝えします。

ナポレオン金貨が大量に発行された理由

「ナポレオン」と言うとナポレオン1世(ナポレオン・ボナパルト)を指すことが多いのですが、アンティークコイン業界で「ナポレオン金貨」と言ったら「ナポレオン3世が発行した金貨」です。ナポレオン1世の金貨を指すことはあまりありません。

ナポレオン3世は金貨を大量に発行しており、現在のコレクターや投資家にとっても主要な収集分野であるため、「ナポレオン金貨」として親しまれているのです。なお、この記事では50フラン金貨を取り上げていますが、一般に「ナポレオン金貨」というと発行枚数の多い20フラン金貨を指すことがあります。

背景としては、当時絶大な権力を誇っていたフランスには世界で採掘された金が流入しており、金貨を作りやすかったことが挙げられます。オーストラリア、南アフリカ、米国、ロシアなどで採れた金がパリに集まっていました。

また、ラテン通貨同盟でフランスのフラン金貨が基準に採用されたことも背景にあります。ラテン通貨同盟はフランス、ベルギー、イタリア、スイスを原加盟国とし、通貨の満たすべき基準として金と銀のレートをフランスで認められている15.5:1としました。共通の基準を設けることで純度が同じ通貨で取引ができるようになりました。それまではコインに含まれる金や銀の純度が国によって異なったため、平等な取引が困難でした。

オーストリア、スペインなど加盟国ではない多くの国も同様の基準を採用したため、フランスはヨーロッパの大陸における通貨圏の盟主に君臨することになりました。通貨圏において権力が集中していたことも、ナポレオン金貨を大量に発行できたことの要因として挙げられます。

ナポレオン金貨の希少価値と人気について

大量に発行されているため、希少価値はあまり高く評価されていません。
しかし人気があることは確かであり、ナポレオン金貨をコレクションしたい方は大勢いらっしゃいます。フランスの金貨といえばナポレオン金貨と言われるほど、コレクターや投資家からの知名度が高いです。

なぜ希少性はあまり高くないのにナポレオン金貨は人気があるのかというと、地金コインとして資産防衛に活用できるからです。金が使われたコインであり、貴金属としての金の性質を持っているため、金に投資するのと同じ感覚で資産防衛に役立つのです。

金はリーマンショックやコロナショックなどの金融危機の際に値上がりする性質があり、現金や金融商品の価値が下がるときに値上がりして資産を守ってくれると期待できます。そのため、富裕層は平常時に一部の資産を金に変えて保有しておき、有事の際に備えているのです。

ナポレオン金貨も金の性質を強く持っているため、富裕層の資産防衛に非常に人気があります。しかも、発行枚数が多いとはいえ現在は発行されていないアンティークコインであり、歴史的な価値や美術的な価値もあるため、同じ重量の金よりも高値で取引される傾向があります。

つまり、金とナポレオン金貨の価値を分解すると以下のようになるため、金よりも値上がりしやすく、高値で取引されやすいと言えます。


金:貴金属としての価値
ナポレオン金貨:貴金属としての価値+歴史的な価値+美術的な価値
(+枚数が有限という希少価値)


実際、10年ほど前は地金価格と同じくらいで取引されていたこともあるのですが、最近では地金価格プラスアルファで取引されることが多いです。「あのとき買っておけば良かった…」と嘆くコレクターや投資家の方もいらっしゃいます。

また、枚数が多いので確かにレアなアンティークコインと比べると希少価値は評価されにくいですが、枚数が多いからこそ価格が安定している特徴もあります。価格変動が激しい資産より安定している方が資産防衛に向いているので、ナポレオン金貨は守りの運用に最適と言えるでしょう。

ナポレオン金貨は手のひらに乗るくらいのサイズですし、保管や管理がしやすいのも資産防衛に向いた特徴です。このような性質があるため、ナポレオン金貨には人気が集中しているのです。

まとめ

ナポレオン3世の50フラン金貨について解説してきました。大量に発行されておりデザインにも違いがありますが、月桂冠を被ったデザインの方が人気が高い傾向があります。

2回に分けてお伝えしてきたように、ナポレオン金貨は資産防衛に向いているアンティークコインです。コロナショックを経験して守りの運用のニーズが高まっていますが、ナポレオン金貨はうってつけの投資先ではないでしょうか。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!