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2024.01.24

古代

コイン解説&写真

世界で注目されている古代コイン「古代ギリシャ 女神アテナ テトラドラクマ フクロウ銀貨①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

数あるアンティークコインの中でも最近注目されているのが、古代ギリシャや古代ローマなどで使われていた古代コインです。紀元前の古代コインは人気が高まっており、海外での取引を中心に価格が徐々に上がってきています。日本国内でも評価が高まり、今後は古代コインの価格が上がっていくと考えられます。

最もよく知られている古代コインの一つが、古代ギリシャで使われていた女神アテナとふうろうが描かれたテトラドラクマ銀貨です。『古代ギリシャ 女神アテナ テトラドラクマ フクロウ銀貨』素朴なフクロウのデザインが可愛らしく、コレクションのニーズも高まっています。

この記事では、通称「フクロウ銀貨」について解説していきます。

古代ギリシャ 女神アテナ テトラドラクマ フクロウ銀貨の基本情報

古代ギリシャで使われていた、女神アテナの肖像が描かれたテトラドラクマ銀貨、通称「フクロウ銀貨」について、基本情報を整理しておきましょう。

・国:古代ギリシャ
・発行年:紀元前440~紀元前404年
・発行枚数:不明
・素材:銀
・直径:約25mm
・重量:約17g
・表面:女神アテナの肖像
・裏面:ふくろう、オリーブ、三日月、AOEの文字

古代ギリシャの都市国家アテネは有力な銀山を保有していたため、当時のコインのほとんどは銀貨です。

古代コインは貨幣の製造技術が発達途上であったこともあり、必ずしも綺麗な円形というわけではありません。いびつな形をしているものも数多くあります。一般的にコレクション価値が高いとされるのは、形が円形に近く、刻印コインに収まっているものです。刻印がはみ出てしまい、デザインがコインに収まりきっていないものは、やや低く評価される傾向にあります。

コインによるデザインのばらつきがあるため、古代コインの価格の決まり方はやや複雑です。一般的には、状態が良くグレードが高いコインほど高値が付きますが、デザインにばらつきがある古代コインの場合、そうとは限らないからです。

例えば、保存状態が良くグレードが高いコインであっても、デザインが収まっておらず切れているコインや歪んだ形のコインに高値が付くとは限りません。むしろグレードが低いのに、形が円形に近くデザインがすべて収まっているコインの方に高値が付くこともあります。

表面のデザインについて

表面に描かれているのは、アテネの守護神である女神アテナです。鼻などが切れることなくコインに顔がすべて収まっているものは、高く評価される傾向にあります。

ヘルメットを被っているのですが、ヘルメットにはたてがみがついています。たてがみが切れているコインが多いのですが、たてがみも全てコインに収まっている場合、コインの評価が高くなる傾向にあります。

裏面のデザインについて

裏面には、ふくろうとオリーブと三日月、さらに「AOE」という文字が刻まれています。こちらもすべて収まっているコインは評価が高くなる傾向にあります。

ふくろうは女神アテナの使いであり、オリーブと三日月はアテネの象徴です。「AOE」はΑOΗΝΑΙΩΝの略で、「アテネ」を表しています。

古代コインはスタンプのように表面と裏面から刻印を押し付けるため、はみ出た銀がふくらんで厚みが出ることがあります。そのため、鑑定後の保管ケースは厚めのものが使用されることが多いです。

次回はこの通称「フクロウ銀貨」についての古代ギリシャの歴史的な背景について解説します。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!