COLUMN
コラム

2024.02.19

コイン解説&写真

インド

単年発行で希少性が高い「インド ヤング・ヴィクトリアのモハール金貨 ①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

アンティークコインの中で非常に人気が高く、高額で取引されているのはイギリスのコインです。異様と言えるくらいイギリスコインに人気が集中している状態ですが、コレクターや投資家の方の中には、イギリスコインが欲しいけどそこまでの予算は無い、という方も多いのではないでしょうか。

そこで注目していただきたいのが、インドで使われていた「ヴィクトリア女王の肖像が刻まれている1モハール金貨」です。インドがイギリスの植民地だった時代の金貨なので、イギリスの女王であるヴィクトリアが描かれています。ウィリアム・ワイオンがデザインしたこともあり、本国イギリスのコインに引けを取らない美しさです。

この記事では、インドの魅力的なコイン「モハール金貨」について解説していきます。コインについての知識を深めていきましょう。

インドのヤング・ヴィクトリアのモハール金貨の基本情報

インドで使われていたヴィクトリア女王のモハール金貨について、基本情報を整理しておきましょう。

・国:インド(東インド会社)
・発行年:1841年
・発行枚数:44万2000枚
・素材:金
・直径:約26mm
・重量:約12g
・表面:ヤング・ヴィクトリアの肖像
・裏面:イギリスを表すライオンとヤシの木

モハール金貨は東インド会社が発行し、イギリスの植民地であったインドで使われていたコインで、発行枚数は44万以上と非常に多いのですが、状態の良いコインは一握りしか残っていません。そのため、綺麗な状態でグレードが高いコインには100万円以上の高値がつくことがあります。

また、1841年の単年発行で希少性が高いのも人気の理由の一つです。

モハール金貨の希少性

モハール金貨は市場に出回る数がどんどん少なくなっていくため、希少価値が高まっています。インドの法律でモハール金貨はインドから輸出できないことになっているため、一旦インド国内に戻ると世界の市場に出回りにくくなるためです。

モハール金貨は市場に出回る数が極端に少なく、値上がりが期待できるコインです。状態の良いコインは非常に珍しいので、グレードの高いモハール金貨を見たら購入を検討されてはいかがでしょうか。

ウィリアム・ワイオンによるデザイン

(画像:ウィリアム・ワイオン)
ヤング・ヴィクトリアのモハール金貨が人気の理由の一つが、ウィリアム・ワイオンがデザインしたことが挙げられます。ワイオンはイギリスの「ウナとライオン」や「ゴシッククラウン」などの名コインを手掛けた彫刻師で、アンティークコインのコレクターや投資家で知らない人はいないほどの知名度を誇ります。

モハール金貨の表面はヴィクトリア女王、裏面はヤシの木とライオンと一見シンプルなデザインですが、女王の髪の毛やライオンのたてがみの繊細さはワイオンならではと言えるでしょう。ライオンには今にも動き出しそうな躍動感があり、美術品としても見ていられるデザインです。

ワイオンのコインを集めているコレクターや投資家の方も大勢いらっしゃいますが、イギリスのコインは高騰しており、なかなか手が出せないという悩みもよく聞きます。モハール金貨はワイオンが手掛けた金貨にしては手ごろな価格で取引されているので、高騰する前に探してみてはいかがでしょうか。(画像:wwマーク)

なお、モハール金貨にはウィリアム・ワイオンのイニシャルである「WW」が刻まれているタイプと、刻まれていないタイプがあります。ワイオンのコインを収集していてイニシャルの刻印にこだわりがある方は、購入前によく確認しましょう。

次回はバージョンの違いや発行されたその時代についてお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!