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2024.02.28

コイン解説&写真

フランス

富裕層の資産防衛に大変人気がある「フランス ナポレオン3世 20フラン金貨①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

富裕層の資産防衛に大変人気があるのが、「フランスのナポレオン3世が発行したナポレオン金貨」(ナポレオン金貨)です。概ね地金価格での取引となることが多く、戦争やテロ、金融危機が発生する有事の際に、金の価格上昇とともに値上がりする傾向があるためです。

また、高騰しきっているイギリスのコインに比べて、ナポレオン金貨は枚数も多く価格もそこまで値上がりしていないので、コレクションしやすい特徴があります。アンティークコインのコレクションや投資が初めての初心者でも、購入しやすいコインです。

この記事では、ナポレオン3世が発行した20フランとナポレオン3世について解説していきます。コレクションや投資をする前に、どのような歴史を象徴するコインなのかを学んでいきましょう。

フランス ナポレオン3世 20フラン金貨(ナポレオン金貨)の基本情報

フランスで使われていたナポレオン3世の20フラン金貨、通称ナポレオン金貨について、基本情報を整理しておきましょう。

・国:フランス
・発行年:1853年~1870年(ご紹介する金貨は1868年)
・発行枚数:不明
・素材:金
・直径:約21mm
・重量:約6g
・表面:月桂冠を被ったナポレオン3世の肖像
・裏面:ナポレオンの紋章

ナポレオン金貨」と言うとき、狭義にはナポレオン3世が発行した20フラン金貨を指しています。今回ご紹介するコインのことですね。広義には、ナポレオン1世が発行した金貨を含める場合や、ナポレオン3世が発行した他の額面の金貨も含める場合があります。

ミントマークと希少性

裏面の年号の左にはミントマークが刻まれており、ナポレオン金貨がどの造幣局で発行されたかが分かります。Aはパリ、BBはストラスブール、Dはリヨンで発行されたことを意味しています。

なお、年号とミントマークによっては数が少なく高値で取引されているものもあります。例えば、1855年にリヨンで鋳造されたコインと、1888年にパリで鋳造されたコインは枚数が少なく、希少性が高いです。

その他のナポレオン金貨は、一般に流通したコインであることからも分かるとおり、枚数はかなり多めです。グレードによっては高値で取引されますが、一般的には地金価格で手に入るため、コレクションしやすいコインと言えるでしょう。

冠の有無について

ナポレオン3世の金貨には、月桂冠を被っているものと被っていないものがあります。それぞれ有冠・無冠と表します。

一般的には有冠の方が人気があり、高値で取引される傾向にあります。

ナポレオン金貨の特徴

20フランのナポレオン金貨は、重量6.4516グラム、金の純度は90.00パーセントです。したがってコイン1枚が純金5.80644グラムを含んでいます。

これはジェルミナル・フランの金平価に相当し、ジェルミナル・フランと交換できる通貨です。ジェルミナル・フランとは、ナポレオン1世が発行した銀を含有するコインです。

それ以前に政府が発行した紙幣が失敗して、お金への信頼が失われて経済に悪影響を及ぼしていたため、ジェルミナル・フランは経済を復活させるために発行されました。ジェルミナル・フランは銀の含有量と重量が固定されていたため、信用のある通貨として流通しました。

また、ナポレオン金貨はラテン通貨同盟の基準本位金貨でもありました。ラテン通貨同盟とは、フランス、ベルギー、イタリア、スイスを原加盟国とする通貨同盟です。1865年にこの4ヶ国が条約を締結し、金と銀のレートをフランスで認められている15.5:1としました。レートを揃えたことで異なる通貨を使う国どうしの貿易がしやすくなるメリットがありました。

ナポレオン金貨の歴史を読み解くと、フランスの経済がいかに他国に影響を持っていたかが分かります。今回ご紹介するナポレオン3世の20フラン金貨も、強国フランスの歴史を象徴する記念すべき一枚です。

次回はナポレオン三世と歴史をお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!