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2024.03.4

古代

コイン解説&写真

イギリスコインの次なる注目のコイン「ビザンチン帝国 モーリス・ティベリウス帝 ソリドゥス金貨 ①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

アンティークコインのコレクターや投資家が今注目しているのが、古代のコインです。近世以降のイギリスのコインなど収集しやすいコインは既に高騰しきっており、次なるコインを探す動きが高まっているからです。

今回ご紹介するのは、古代のビザンチン帝国で使われていた「モーリス・ティベリウス帝のソリドゥス金貨」です。ソリドゥス金貨自体は数多く見つかっておりマーケットで見かける機会も多いのですが、価格はグレードによって大きく異なります。

また、一口にソリドゥス金貨と言っても、そのときの帝や発行された年代によってデザインが異なります。帝の系譜に沿って集められるので、コレクションしやすいのもビザンチン帝国のコインの特色と言えるでしょう。

この記事ではソリドゥス金貨とモーリス・ティベリウス帝について解説していきます。これから人気や価格が上がると期待できるコインですので、基礎知識を身につけていきましょう。

ビザンチン帝国 モーリス・ティベリウス帝 ソリドゥス金貨の基本情報

ビザンチン帝国で使われていたモーリス・ティベリウス帝のソリドゥス金貨について、基本情報を整理しておきましょう。

・国:ビザンチン帝国
・発行年:582年~602年
・発行枚数:不明
・素材:金
・直径:20mm前後
・重量:4g前後
・表面:モーリス・ティベリウス帝の肖像
・裏面:長い杖とオーブを持った天使

ビザンチンとは、東西に分裂した古代ローマ帝国の東側、東ローマ帝国の後の呼び名です。ソリドゥス金貨は4世紀のローマ皇帝であるコンスタンティヌス1世の頃から、ローマ皇帝と東ローマ帝国にて鋳造された金貨のことを指しています。11世紀頃まで中世のドルとして東ローマ帝国の内外で使われていました。

ちなみに兵士を意味するソルジャー(soldier)は、「ソリデゥス金貨のために戦う者」が語源とされています。古代ローマ時代、兵士の給料の支払いが現物の塩からソリドゥス金貨に代わったためです。

ドルを表す記号$の由来(ソリデゥスの頭文字S)とも言われており、また中世フランスや南米で使われた通貨のソル、中世イタリアで使われたソルド、中世スペインで使われたスエルドなどもソリデゥス金貨に由来しています。栄華を誇った古代ローマの金貨として、世界の通貨に影響を及ぼしました。

次回はビザンチン帝国についてお伝えいたします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!