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2024.03.11

古代

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成功への第一歩!アンティークコイン投資・国の知識を深めよう「古代ギリシャ編①」

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

人類の歴史の中で、忘れてはならない古代文明の一つが、古代ギリシャです。古代ギリシャはオリンピックの起源を作り、優れた美術品を残してヨーロッパやアジアに影響を与えたため、現代の私たちにとっても実は身近な存在です。古代ギリシャが無かったらオリンピックも無かったかもしれないと思うと、身近に感じられませんか?

古代ギリシャで使われたコインには有名で人気の高いコインもあるので、この記事では古代ギリシャのコインと歴史を解説していきます。
古代コインならではの魅力をたたえているので、コインのコレクターや投資家の方にも古代ギリシャの歴史を押さえておいていただければと思います。

エーゲ文明

エーゲ海の交通の要所として栄えたのが、ギリシャの文明の始まりです。紀元前3000年頃にギリシャに生まれた文明を、エーゲ文明と言います。オリエント世界から青銅器がもたらされて発展したため、青銅器文明とも呼ばれています。

エーゲ文明は、概ね前半がクレタ文明、後半がミケーネ文明と分けられています。まずはこの2つの文明の特徴を簡単に見ていきましょう。

クレタ文明

クレタ文明は紀元前2000年頃にクレタ島を中心に興った文明で、海上貿易によって栄えました。写実的な美術品が残り、宮殿に城壁が無いことなどから、開放的な文明だったのではないかとされていますが、まだまだ分からないことも多い文明です。

クレタ人が築いたクレタ文明は、南下してきたアカイア人によって滅ぼされ、ミケーネ文明へと以降していきます。

ちなみにクレタ文明は神話に登場するミノス王に由来し、「ミノス文明」とも呼ばれています。実際、ミノス王が住んだとされるクノッソス宮殿も1900年に発見されています。(画像:クノッソス宮殿)

ミケーネ文明

ミケーネ文明は、インド=ヨーロッパ系のギリシャ人であるアカイア人がペロポネソス半島のミケーネ地方に移って定住し、始まった文明です。紀元前1600年頃に形成されました。

ミケーネ文明では王が権力を持って専制政治を行い、国民には納税の義務があったとされています。まだ貨幣が無い頃なので、金や銅などの金属や、畜産物などを治めていました。

紀元前1200年頃になると、多くの都市が破壊され、ミケーネ文明は滅亡します。他民族の侵攻を受けたためだと考えられていますが、どの民族によるものなのかは諸説あり、未だに明らかになっていません。

ミケーネ文明が滅亡すると、古代ギリシャは暗黒時代へ突入します。

暗黒時代

古代ギリシャの暗黒時代は、紀元前1200年頃から紀元前800年頃までの約400年間です。資料が極端に少なく、何があったのか分からないことが多い混乱期のため、暗黒時代と呼ばれています。

クレタ文明、ミケーネ文明で発達した文字や芸術が衰退するなど退化した側面はありましたが、青銅器よりも丈夫な鉄器が普及したり、貴族を中心とした社会の再編成が行われるなど、進歩したと見られる側面もあります。

ポジティブな変化もあったとされるため、一概に暗黒時代と呼ぶことには懐疑的な研究者もいるようです。そのため、この時代のことを暗黒時代ではなく「初期鉄器時代」と呼ぶこともあります。

前古典時代とポリスの形成

紀元前800年頃から紀元前500年頃までを前古典時代と言い、この時代にポリス(都市国家)が形成されます。クレタ文明、ミケーネ文明では王が統治する王国でしたが、前古典時代からは、ほとんどのポリスには王は存在せず、共和政となりました。ヨーロッパの歴史では王が権力を持つ絶対王政が長く、共和政の国家は歴史的に見ても異例で興味深いところです。

それぞれのポリスは城壁で囲まれており、その中で貴族と平民が暮らしていました。各ポリスは独立しており、ギリシャ全体をまとめる者はいませんでしたが、ギリシャの神々を信じていることやオリンピアの祭典などの共通点があり、同胞意識はあったようです。

もともとは王や貴族がそれぞれのポリスを統治していたのですが、平民が貿易によって力をつけ、自分たちでポリスを守るようになりました。平民が貴族に参政権を求めるようになり、民主政が始まります。

次回はオリンピックの起源などについてお伝えします。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!