COLUMN
コラム

2023.07.17

富豪家5人の息子たちの華麗なる活躍

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

前回は地球上で一番のお金持ちロスチャイルド家についてお伝えしました。今回はその富豪家の5人の息子たちの華麗なる活躍についてお話したいと思います。

5人の息子たちの活躍

マイヤーの5人の息子も彼の仕事を手伝うようになり、ロスチャイルド家のネットワークはどんどん広がっていきます。5人の息子たちはそれぞれ、フランクフルト、ウィーン、ロンドン、ナポリ、パリの5つの都市に分かれ、ヨーロッパ中に金融ネットワークを拡大させました。

特に長男のアムシェルと二男のザロモンは、ヴィルヘルム9世と金融機関の間を取り持つなどの仕事をして、ヴィルヘルム9世に気に入られるようになります。1789年には、ロスチャイルド家はヘッセン・カッセル方伯家の正式な金融機関になりました。ヘッセン・カッセル方伯家はヴィルヘルム9世の宮殿と思っていただければ大丈夫です。

1795年頃からは、ヴィルヘルム9世の大きな投資事業にも携わるようになり、ロスチャイルド家は富と名声を高めていきました。こうして1790年代に急速に発展したロスチャイルド家の主な収入源は、信用供与と貸付といった銀行の仕事になっていました。そのため、ロスチャイルド家=銀行業で財を成した家系、というイメージが定着しています。

三男ネイサンの大成功

ロスチャイルド家がヘッセン・カッセル方伯家の正式な金融機関の一つになった1789年といえば、フランス革命が起こった年でもあります。絶対王政を敷くフランスで民衆が奮起したことはヨーロッパ全土に衝撃を与え、ヨーロッパ諸国がフランスに軍を向かわせます。そしてフランス革命戦争からナポレオン戦争が勃発しました。

戦争の混乱の中、ドイツでは綿製品が不足し、価格が高騰しました。これに目をつけたのが、マイヤーの三男であるネイサンです。そのとき、イギリスでは産業革命によって綿製品が大量に生産されていたのです。

ネイサンはイギリスで安く綿製品を買い付け、ドイツで高く売って莫大な利益を得ました。ネイサンも、「安く買って高く売る」ことへの嗅覚が鋭いですよね。

綿製品の貿易で得たお金を元手に、ネイサンはロンドンの金融街で「N・M・ロスチャイルド&サンズ」を設立し、投資銀行を営みました。こうしてネイサンは、「国際金融の先駆者」との呼び声をマイヤーから受け継ぐほどの大成功を収めました。同社は今も健在で、M&Aのアドバイザーとしては世界7位という実績と名誉を誇っています。

ロスチャイルド家とワイン

ロスチャイルド家は銀行業だけでなく、ワインでも高い名誉を誇っています。ボルドーワインの生産者として最も高い格付けを得ている「5大シャトー」というブドウ園のうち、なんと2つをロスチャイルド家が所有しているのです。その2つが、シャトー・ムートン・ロスチャイルド(略してムートン)と、シャトー・ラフィット・ロスチャイルド(略してラフィット)です。

ムートンは、ネイサンの三男であるナサニエルが1853年に購入したシャトーで、ラフィットはマイヤーの五男であるジェームズが1868年に購入したシャトーです。いずれのボルドーワインも、現在の格付けでは1級の評価を得ています。

ただし、1855年の格付けでは、ラフィットは1級、ムートンは2級の評価でした。1973年には異例の見直しが行われ、ムートンも1級を獲得したのですが…舞台裏で何があったのか、富と権力について邪な想像をしてしまいますね。

ロスチャイルド家はもう1つ、シャトー・クラークも所有しています。こちらは3級の評価を得ているワインです。

クラークは、1973年にジェームズのひ孫であるバロン・エドモンドが購入したシャトーです。当時は5級にも入らないシャトーでしたが、バロン・エドモンドは「ポテンシャルの高いシャトーを手に入れて、自分の手でワインの評価を上げたい」として、クラークを購入しました。

狙いどおり、バロン・エドモンドのシャトーは今では3級を獲得しています。将来的なポテンシャルを予測して先行投資する姿勢は、現代のビジネスマンや投資家にとってもお手本になりそうです。

いかがでしたでしょうか?みんな素晴らしい功績ですよね!

次回はロスチャイルド家と日本との関わりについてお伝えしたいと思います。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!