注目のコイン・マクシミリアン1世5ダカット金貨①

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

本日は注目のコイン『ドイツ バイエルン マクシミリアン1世 5ダカット金貨』をご紹介したいと思います。

近年人気が出てきており、年々値上がりしているドイツのダカット金貨ですが、今回はその中でもレアなアンティークコインを紹介します。それが神聖ローマ帝国バイエルンのマクシミリアン1世の肖像が刻まれた5ダカット金貨です。

マクシミリアン1世の5ダカット金貨は非常にレアなコインで、オークション以外ではほとんど出回っていません。オークションで取引されれば数百万円の値が付き、グレードが高いコインなら1000万円を超える価格が付けられることもあります。非常に人気が高く、欲しがるコレクターが多いコインなのです。

マクシミリアン1世の5ダカット金貨の基本情報

マクシミリアン1世の5ダカット金貨についての基本情報は下記になります。

・国：神聖ローマ帝国
・発行年：1640年
・発行枚数：不明（100〜200枚程度と言われています）
・素材：金
・直径：約37mm
・重量：約17g
・表面：マクシミリアン1世の立位像
・裏面：ミュンヘンの都市景観、イエス・キリストを抱く聖母マリアと天使
・参考取引価格：300万円〜1000万円

発行枚数が少ないとされており、残存して出回っているのもごく少量です。そのため、このコインの人気はとりわけ高くなっており、高額で取引されています。

この5ダカット金貨は発行年の「1640」の刻印の位置により、さらに2種類に分けることができます。詳しく見ていきましょう。

「DATE ABOVE」と「DATE DIVIDED」

マクシミリアン1世の5ダカット金貨は、発行年の刻印によって
「DATE ABOVE」と「DATE DIVIDED」の2種類に分けることができます。

裏面の都市景観の方を見たとき、コインの上部の縁に「1640」と刻印されているのが「DATE ABOVE」です。コインの半分より少し下のあたりで、
「16 」と「40」が左右に分かれて刻印されているのが「DATE DIVIDED」です。（画像左「1640」　画像右「16 」と「40」が左右に分かれて刻印）

現在分かっている範囲では、「DATE DIVIDED」の方が「DATE ABOVE」よりも枚数が少ないため、希少価値がより高いです。したがって、どちらも高額で取引されるコインですが、比較すると「DATE DIVIDED」の方が高値がつきやすいです。

このコインはもっと細かく分類することができるのですが、ひとまず「DATE ABOVE」と「DATE DIVIDED」の2パターンを押さえておきましょう。もし出会うことができたら、どちらのタイプなのを調べてから価格が妥当かを考えましょう。

コインの表面の肖像

コインの表面には、マクシミリアン1世が騎士の格好をして立っている像が描かれています。背景もきちんと描かれており、宮殿の中にいることが分かります。背景には遠近法が使われているのですが、コインのデザインにしては凝っていますし、芸術性が高く珍しいです。

このコインはマクシミリアン1世がバイエルン公に在位した1597〜1651年の間である1640年に発行されています。

次回は表面に描かれているマクシミリアン1世とはどのような人物だったのか、また裏面の都市景観の概要について解説していきます。

みなさんにアンティークコインで幸あれ！