COLUMN
コラム

2023.06.9

そもそもお金とは何か?

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

本日はそもそもお金とは何か?についてお話したいと思います。

アンティークコインなどのギャンブル性が低い商品について解説していきたいのですが、その前に、「お金」について考えてみましょう。​

そもそもお金とは何なのでしょうか。

「お金そのものに価値がある」と考えている方が多いと思うのですが、実はそんなことはありません。1万円札を1枚作るためにかかるコストは24円程度で、お札自体には1万円の価値など到底ありません。(昔のお金は金や銀でできており、コインそのものにも価値がありました)

それでも、私たちは1万円札に1万円の価値があると信じています。お店でも、1万円札で1万円の商品を当たり前に買うことができますよね。つまり、みんなが「1万円札には1万円分の価値がある」と信じて売買に使っているので、お金には価値があるのです。

お金の価値を保つ仕組み

お金には「みんなが価値があると信じているから、価値がある」と説明しましたが、こんな心もとない理由で価値があるなんて信じがたいと感じたのではないでしょうか。確かに紙幣や小銭の価値は「信用されているから」ですが、価値を保つ仕組みは存在します。日本はお金の価値が安定しているので、物の値段が毎日ほとんど同じなのです。

お金の価値を安定させているのは日銀で、その仕組みは主に3つあります。

・1つめ

日本銀行しか発行できない仕組みです。他の誰かが勝手にお金を大量に発行してしまうと、世の中に信用力の無いお金が溢れかえってしまい、お金の価値が下がってしまいます。

・2つめ

金融政策や金融市場調整によって物価を安定させる仕組みです。金融政策は物価の安定や金融システムの安定を目指すもので、それらはお金の価値の安定に結びつきます。物価が急上昇したり金融システムが崩壊したりすると、お金の価値が暴落して無価値に等しくなる可能性があるため、日銀はさまざまな政策によってこれらの安定に努めています。

・3つめ

法律で「強制通用力」があると定められていることです。日本銀行が発行するお札は、支払い手段として公私いずれの取引でも無制限に通用する、と法律で決まっているのです。つまりいつでも支払いに使えることが保証されており、お札の信用が法律でも決められている、ということです。

上記は日本銀行が発行するお札についての内容ですが、「お金の価値」がしっかり支えられている理由と理解していただいて構いません。「みんなが価値があると信じている」というのが1万円札が1万円である理由ですが、価値を安定させるための法律や日銀の施策があるのです。

お金の価値は永遠?いつか無価値になる?

お金の価値が分かると、今度はお金の価値は永遠なのかが気になってくるのではないでしょうか。もし日銀が倒産したら、お金の価値は不安定になり、無価値になってしまうのではないか…と心配になる方もいるでしょう。

ある日お金が無価値になってしまう可能性は、ゼロではありません。国の財政が破綻して、日本円の価値が暴落することもあり得ます。赤字国債の額は膨れ上がっており、大きな増税も行われていないからです。身近な消費税は上がっていますが、他のところで減税が行われるなど、相殺されているため大きな増税とはならず、国の収支が改善しているわけではありません。

実際に財政破綻した国もあります。1998年にロシアで、2002年にアルゼンチンで、2010年にギリシャでも財政破綻が起こりました。財政破綻に陥ると金融システムが機能しないので、激しいインフレでお金の価値が暴落してしまいます。そもそもお金の価値が低いので労働の意味もないかもしれませんが、失業率が急増し、貧困も急拡大していきます。

お金の価値が分かると、今度はお金の価値は永遠なのかが気になってくるのではないでしょうか。次回は「お金の価値は永遠なのか?」について書きたいと思います。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!