2023.07.27
コイン解説&写真
近世
アンティークコインを知ろう!【近世編】
みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
今回は前回の中世編に引き続きアンティークコインの近世についてお話したいと思います。
近世とは
近世は、ビザンチン帝国が滅亡した1453年から、フランス革命までの1789年までとします。ルネサンスや大航海時代も近世に含まれ、さらに植民地支配によってヨーロッパが世界に進出していった時代も含まれます。
コインの歴史で言うと、近世に入るとプレス機を使って大量に作るようになりました。正確な大きさとデザインのコインが作れるようになった一方、作りたてのコインをまとめて無造作に運ぶため、コインがぶつかり合って新品なのに傷だらけの状態になったそうです。
近世のコインで注目度が高いのは、イギリスの5ギニー金貨でしょう。ギニア産の金を使ったことからギニーと呼ばれ、1663年から1813年まで鋳造されていました。
【ウィリアム3世 & メアリー2世 公式戴冠式典記念メダル】
発行年数:1689年単年度発行
発行枚数:515枚
【1706年アン女王5ギニー金貨】
イギリスの歴史の中でも有名な人物の一人に、アン女王という人がいます。彼女は1707年にイングランドとスコットランドを統一して現在のイギリス(グレート・ブリテン)の基礎を作った人物です。
アン女王の肖像が描かれた5ギニー金貨は、実は2種類存在しています。見た目には分からないのですが、通常貨とVIGOの2種類があるのです。
VIGOの方は、VIGO湾でのスペイン艦隊との戦いに勝利し、戦利品として奪った金から作られました。この希少性から、イギリスのコインの中でも非常に有名で、日本円にすると億を超えるほどの価値を誇っています。
ただし近世のコインは表面がすり減ってしまったものが多いため、鑑定のグレードによって投資価値が大きく異なります。状態の良いコインに巡り会えたら、投資を始めるチャンスです!!
次は近代についてお伝えしていきます!
みなさんにアンティークコインで幸あれ!