2023.09.11
資産としてのコイン
【ここが知りたい!】アンティークコインに買い時や売り時はあるのか?
みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。
これからはアンティークコイン投資を実践していく上で必要な情報をお伝えしていきます。
アンティークコインにも、買い時や売り時はあるのでしょうか?
これから投資を始める人にとっては、とても大事な問題ですよね。
この記事では、アンティークコインの買い時や売り時について分析しています。さらに、購入時・売却時に気を付けなければならないポイントについても解説しますので、ぜひ最後までご覧いただき、アンティークコイン投資で損をしないようにしていただければと思います。
アンティークコインに買い時や売り時はあるのか?
アンティークコインの価格は確かに年によって若干の差がありますが、基本的には時間と共に値上がりするものです。1年や2年で売却するなら買い時や売り時を見極める必要はありますが、10年以上の長期投資を前提とするなら、「早いうちに買って綺麗な状態で長期間保管しておきましょう」というのが適格なアドバイスになると思います。
アンティークコインは一般的に100年以上昔のコインのことなので、現在は発行されていません。そのため、火災などで数が減ることはあっても増えることはなく、時間と共に希少価値が高まっていくのです。良い状態のまま保管できれば尚更で、何もしなくても時間が経てば値上がりしていることが期待できます。
ここがアンティークコインと株式や不動産の大きな違いで、特に買い時や売り時を気にしなくても、高い確率で値上がりするのです。そのため、投資の初心者や株式で失敗した方などにもおすすめすることができます。
ただし、コインはグレードによって値上がりのしやすさが異なります。全く何も考えずにどんなコインでも買えば利益が出る、とまでは言えません。次はコインの値動きの傾向について解説していきましょう。
グレードの低いコインの買い時・売り時
傷があって最高クラスではないグレードが低いコインの場合、金などの貴金属の価格と相関しやすいです。これは、コインが美術品ではなく貴金属に近いと見なされるためです。
金の価格は、不景気のときに上がり、好景気のときに下がります。金融システムや経済の見通しが暗くなると、株式などの金融資産よりも価値が安定している貴金属に人気が集まるからです。また、好景気のときは株式などの金融資産が利益を生み出すので、利益を生むわけではない貴金属は売られます。
この法則を当てはめると、グレードの低いコインの価格も不景気のときに上がり、好景気のときに下がると考えられます。つまり、景気が良いときにコインを買っておき、不景気になったらコインを売るのが良いと言えるでしょう。
グレードの高いコインの買い時・売り時
傷などが少ない良い状態で保管されているグレードの高いコインの場合、貴金属との相関関係は見られません。これは、コインに貴金属としての価値のみならず、歴史的・美術的な価値、希少価値が組み合わさるため、景気の良し悪しとは違う観点で評価されているからです。
優れたコインは、不景気でも好景気でもコレクターが欲しがります。よって時間とともに価格が上がる傾向にあるので、なるべく早いときが買い時で、できるだけ長く保有して売り時を延ばすのが良いでしょう。
アンティークコインを買うときの注意点
アンティークコイン投資の場合、買い時や売り時よりも気を付けたい落とし穴があります。この記事では買うときと売るときの注意点もお伝えしていきます。過去の記事も参考にしてください。
まずは、アンティークコインを買うときの注意点を解説していきます。以下の3つのチェックポイントに当てはまるコインを購入するのが良いでしょう。
1. 信頼できる販売者から買う
2. 鑑定済みコインを買う
3. 適切な価格で販売している
1. 信頼できる販売者から買う
販売者によっては、利益を大きくするために適切な水準から大きく外れた価格で販売していることがあります。例えば、相場の2倍の価格で買ってしまった場合、いくらコイン市場が値上がりしていると言ってもなかなか2倍まで上がらず、いつまで経っても売れないといったことになってしまいます。これでは、売り時を探すどころの話ではありません。
そのため、信頼できる販売者を見つける必要があります。どうやって見分けるのかというと、IAPNや日本貨幣商協同組合に加盟している販売者を探すのです。IAPNは国際的な団体、日本貨幣商協同組合は国内の団体です。これらに加盟している販売者はあからさまな不正を働きにくいので、価格のみならずコインに関する情報も信用することができます。
特に初心者の方は、コインの相場を見極めたり販売者が信用できるか吟味したりするスキルが無くて当然です。奥深い世界で難しいので、まずはIAPNや日本貨幣商協同組合に加盟しているかどうかを、取引するときのチェックポイントにすると良いでしょう。
2. 鑑定済みコインを買う
将来的に売却を考えているなら、鑑定済みコインを購入した方が良いです。アンティークコインには第三者の鑑定機関によるお墨付きがあるコインと、未鑑定のコインがあるのですが、買いやすく売りやすいのは鑑定済みのコインの方です。
【鑑定済(スラブケース入り)コイン】
鑑定されていないコインの場合、自分で目利きができないと割高な価格でコインを買ってしまう可能性があります。その上、偽物を販売する悪質な業者もいるので、騙されて偽物を買ってしまうこともあり得ます。
売却するときも、鑑定済みのコインの方が納得できる査定になると考えられます。鑑定されていない場合、そのコインの真贋に関係なく割安な価格を提示される可能性があるからです。
鑑定済みのコインを購入した方が、買うときも売るときも納得感があって安心できると思います。特にアンティークコイン初心者の方は、鑑定済みコインを購入するようにしましょう。
3. 適切な価格で販売している
販売者が適切な価格で販売しているかを知るためには、アンティークコインの相場を知る必要があります。しかし、経験を要するので初心者の方には難しいと思います。
そこで、おすすめしたいのがPCGSの鑑定結果をオンラインで調べることです。PCGSとは世界的に有名なコインの鑑定機関で、鑑定結果をホームページで掲載しています。
その中には、過去のオークションで落札された価格も分かる範囲で掲載されています。PCGSが鑑定したコインを購入するなら、ホームページで調べて過去の落札価格を参考に、自分が買いたいコインの値段が適切か考えると良いでしょう。
過去の落札価格が分かるということは、そのコインが値上がりしているかどうかも分かります。これから売り時が来るかどうかの目安にもなるので、購入する前にできれば確認しておきたい情報でしょう。
アンティークコインの売るときの注意点
アンティークコインを売るときも、注意したいことがあります。以下の2つのチェックポイントを押さえて、投資で損をしないように気を付けましょう。
1. 売らざるを得なくなるのを防ぐ
2. 信用できる業者に買い取ってもらう
1. 売らざるを得なくなるのを防ぐ
お金が足りなくなってコインを売らざるを得ない、といった「どんな値段でも良いから売りたい」という状況になってしまうと、売却時に不利になってしまう可能性があります。顧客の足元を見るようなコレクターだと、「安い値段をつけても断れなさそうだな」と思われ、コインに対して不相応な価格で査定されてしまうかもしれません。
また、一刻も早く売却して現金化しなければならないときが、売り時でない場合もあります。コインが値上がりしていないのに売却してしまうのは、大きな機会損失です。
アンティークコインに限ったことではありませんが、投資は余剰資金で行い、生活費などに充てる資産は現金や預金で保有しておくことをおすすめします。せっかく手に入れたコインを不本意なタイミングや価格で手放さなくても良いように、投資は余剰資金で行いましょう。
2. 信用できる業者に買い取ってもらう
購入するときと同様に、売却時も信用できる業者に買い取ってもらうようにしましょう。同じように、IAPNや日本貨幣商協同組合に加盟している業者に査定を依頼しましょう。
まとめ
アンティークコインの買い時や売り時、購入時・売却時に気を付けることを解説してきました。基本的には時間と共に価格が上がりやすい投資商品なので、タイミングに自信が無い初心者の方にもおすすめできる投資方法です。
株式や不動産のように売買のタイミングによって儲ける方法だと、慣れていない人は損失を出しやすいです。アンティークコインはこのような課題がかなり解消された商品なので、ぜひとも値上がりしやすいグレードの高いコインで投資を始めていただければと思います。
みなさんにアンティークコインで幸あれ!