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2023.09.6

資産としてのコイン

【必見!!】リスクを知ってアンティークコイン投資を成功さるための知識!

みなさんごきげんよう、アンティークコイン投資家の葉山満です。

アンティークコインは時間とともに自然に値上がりする性質があるので、数ある投資方法の中でも難易度が低く、投資初心者の方にもおすすめすることができます。

ただし、知識が無い人がカモにされて偽物のコインを掴まされた、という事件も枚挙にいとまがありません。
最低限の知識を持っていないと、悪質業者に騙されてしまう危険があるのです。

この記事ではアンティークコインの基礎知識として、以下の3つのリスクについて解説していきます。アンティークコイン投資において損失が出る主なポイントなので、投資する前に理解しておきたいデメリットでもあります。

1. 売却リスク
2. 発掘リスク
3. 仕入れ査定リスク

今回はネガティブなテーマですが、投資で成功するためにはデメリットを理解して回避する戦略を立てることが重要なので、最後までご覧いただければと思います。

1. 売却リスク

コインの売却リスクとは、主に売却時に購入価格より低い価格で査定され、損をしてしまうリスクです。売却時に価格が下がってしまうのは、主に以下の理由が考えられます。

① 保有している間に値下がり材料が出た
② 保有している間に状態が劣化した
③ 購入価格が高すぎた
④ 売却時の査定が適切でない
⑤ 偽物だったことが判明した

① 保有している間に値下がり材料が出た
保有している間に値下がりすることは、アンティークコインの場合はレアケースと言えます。後述する発掘リスクのように、同じコインが大量に見つかった場合には値下がりすることもありますが、人気のある18世紀から19世紀のイギリスのコインでは起こりにくいです。

アンティークコインは新たに発行されることがなく、数が減ることはあっても増えることはない資産です。そのため、基本的には時間とともに価値が上昇していきますし、値下がりしにくい資産です。

② 保有している間に状態が劣化した
保管する環境によっては、状態が劣化して価格が低くなることはあり得ると思います。スラブ(専用のケース)に入った状態であれば、気密性が高く劣化はしにくいと思いますが、裸コインの場合は注意が必要です。

ケースに入っていない場合、触っているうちに摩耗したり傷がついたりすることもありますし、汚れがついてしまうこともあります。状態の劣化はコインの価格を下げる要因になるので、裸コインは特に丁寧に扱いましょう。

③ 購入価格が高すぎた
購入価格がコインの実態に対して割高な場合も、売却時に価格が下がって損をすることになります。これは「仕入れ査定リスク」と重複するので、後述します。

④ 売却時の査定が適切でない
売却時の査定が正しくない可能性もあります。コインは年号が1年違うだけでも価格が1桁変わってしまうこともあり、査定には深い専門知識を必要とします。しかし、残念ながら深い知識がない業者も存在しています。

査定額に疑問を感じたら、他の業者にも査定を依頼することを検討した方が良いでしょう。相見積もりのような状態になるため、業者は良い顔をしないかもしれませんが、買値よりも安い査定に疑問を感じたことは正直に話して良いと思います。疑問をきちんと伝えれば、業者も査定を見直したり、なぜこの価格での査定になったのかを教えてくれることが多いです。

⑤ 偽物だったことが判明した
コインが偽物であることに気づかずに購入し、売却時に発覚することもあり得ます。偽物だと発覚した場合は、他の業者に査定を依頼しても価格が高くなることはありません。このような場合は、購入したときの業者に問い合わせをして、保証などの対応を依頼する必要があります。

そもそも偽物を掴まされないようにするには、鑑定済のコインを購入したり、二大鑑定機関であるPCGSやNGCがホームページで情報を公開しているコインを購入したりするなど、偽物を避ける対策が必要です。悪質な業者もいるので、疑ってかかるくらいの気持ちで丁度良いです。

また、コインの専門店ではなくインターネットオークションやフリマアプリで購入した場合のトラブルも多く聞いています。販売者が実物と違う写真を乗せておき、綺麗な状態のコインを販売していると見せかけ、実際には偽物が送られてくるのです。評価が低い販売者や評価の数が少ない販売者の場合にこのようなトラブルが多いようなので、オンラインでコインを購入する場合はリスクを理解した上で購入判断をしましょう。

2. 発掘リスク

コインの発掘リスクは、主に古代コインで起こり得るリスクです。新たにコインが発掘されることによって、価値が下がってしまうことがあるのです。

コインの価値に大きく寄与するのが現存する枚数で、数が少ないほど希少価値が高く、高額な値段がつきやすいのはイメージが湧くと思います。近世や近代のコインは発行枚数が記録されているため、最大でも何枚あるかが分かっており、価格をつける際に参考にされています。特にイギリスのコインは発行枚数が明確であり、集めやすいとコレクターに人気があります。

一方で、古代のコインは発行枚数が記録されていないものがほとんどです。最大で何枚あるのか分からないので、現在見つかっている数を参考に価値を判断されています。貴重だと思われていたコインも、同じコインが新たに大量に発掘されれば、「実はレアなコインではなかったね」という認識になって価格が下がってしまいます。

しかも流通用のコインは数が多いので、どこに埋まっているかも分かりません。今後も新たにコインが発掘される可能性は大いにあります。このような発掘リスクがあるため、古代コインへの投資には特有の難しさがあります。

とはいえ、すべての古代コインが新たな発掘によって値下がりするわけではありません。発掘されたのが状態の悪いコインばかりであれば、既に見つかっていた状態の良いコインの価値は下がりにくいです。(新たに発掘されたコインが非常に良い状態だと、値下がりは避けられないのですが…)

したがって、古代コインには発掘リスクがあることを理解した上で、できるだけグレードの高いコインに投資するのが良いでしょう。古代コインは発行されてから数千年の時間が経っているので、全体的に保存状態が良くないものが多いのですが、安易に妥協しない方が良いと考えられます。

3. 仕入れ査定リスク

購入したときの価格が、コインの実態とかけ離れて高額であるケースはよく聞きます。業者が割高な値段をつけ、気づかずに購入した投資家が、売却する段階になってから購入価格が高すぎたことに気づく、というわけです。このようなリスクを「仕入れ査定リスク」と言います。

コインを扱う業者の本音は、売るときはできるだけ高く売り、買うときはできるだけ安く買いたいものです。そのため販売価格を高めにつけていることがあり、見抜けなかったコイン投資の初心者の方が割高な価格で買ってしまう、ということが起きるのです。

初心者の方はコインの相場など分からなくて当然なので、いくつかコインショップを回って比較したり、PCGSでオークションで取引された価格を参考にしたりして、コインの価格が妥当なのか見極めましょう。一般的に、コインショップの価格よりオークションの落札価格の方が高くなる傾向があるので、比較するときは違いを踏まえて比べましょう。

まとめ

アンティークコインに投資する前に身につけておきたい3つのリスクについての知識を解説してきました。ポイントをおさらいしておきましょう。

1. 売却リスク:売却価格が購入価格を下回ってしまうリスク
2. 発掘リスク:新たにコインが発掘され、既存のコインの価値が下がってしまうリスク
3. 仕入れ査定リスク:購入時に適切な価格で買えないリスク

以上のようなリスクはありますが、信頼できる店舗で売買したり、オークションでの取引価格を参考にしたりすることで、被害に遭うリスクは下げることができます。正しい知識を身につけながら、アンティークコイン投資を楽しみましょう。

みなさんにアンティークコインで幸あれ!